令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-15」の解説

令和3年度技術士第一次試験 適性科目Ⅱ-15は『リスクアセスメント』

このブログでは、令和3年度技術士第一次試験の適性科目の問題や選択肢を少し深堀りして、第一次試験の試験対策だけでなく、第二次試験の筆記試験や口頭試験の対策にもなるような解説を目指してみたいと思います!

今日は令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-15」を解説します。適性科目「Ⅱ-15」は、リスクアセスメント導入による効果に関する問題でした。

リスクアセスメント

リスクアセスメントとは、職場の潜在的な危険性や有害性(ハザード)を見つけ出し、これらを除去、または低減するための管理手法のことです。リスクアセスメントの実施により、安全に仕事ができる環境を整えることになり、職場の安全衛生管理につながります。

労働安全衛生法第28条の2では、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務となりました。また、一定の危険性・有害性が確認されている640の対象化学物質に対して、2016年6月にリスクアセスメントの実施が義務となりました。

令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-15」

今回の問題では、リスクアセスメント導入による効果に関する記述について、正しいものと間違っているの組み合わせを考えることになっていました。

(ア)職場のリスクが明確になる
(イ)リスクに対する認識を共有できる
(ウ)安全対策の合理的な優先順位が決定できる

令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-15」より

リスクアセスメントの目的を考えると、これらは正しい記述ですね。

(エ)残留リスクに対して「リスクの発生要因」の理由が明確になる

令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-15」より

残留リスクとは、認知されていないリスク、認知はされているが対策を講じていないリスク(保有リスク)、リスク対応後に残っているリスクのことです。そのため、リスクアセスメントを導入したからと言って、残留リスクのリスク発生要因の理由が明確になるとは限りません。そのため、この記述は間違いです。

(オ)専門家が分析することにより「危険」に対する度合いが明確になる

令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-15」より

リスクアセスメントは、作業者、監督者、安全衛生スタッフ、管理者が実施します。専門家が職場のリスクを分析するわけではありません。そのため、この記述は間違いです。

2022年8月8日から、週1問のペースで令和3年度技術士第一次試験 適性科目の解説を行ってきました。出題内容は、従来通りの法律や技術者倫理に関することから、SDGsやダイバーシティ、再生可能エネルギーやAIに関する倫理など、最近の話題もしっかり取り上げられていましたね。そのため日頃から、最近のニュースや世の中の動向に注目しておくと試験対策になりますよ。

適性科目は受験生のほとんどが合格されている科目ですが、なにも勉強しないでいきなり受験してしまうと、やはり合格は厳しくなります。過去数年間分の適性科目の問題を一通り解いてみて、出題されやすい分野や自分が得意とする分野の問題を把握しておきましょう。

令和4年度の技術士第一次試験の当日まで、もう少しです。がんばりましょう!

 

令和3年度技術士第一次試験 適性科目の問題と正答、及び、技術士倫理綱領は、日本技術士会のホームページに掲載されています。


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