技術士ってどんな資格?

技術士とは

 技術士とは、ざっくり言うと、技術士試験に合格して 「この人は知識と経験が豊富で技術者倫理も兼ね備えた優秀な技術者」と認められ、技術士登録をした人のことを言います。科学技術系の最高峰の国家資格です。

 技術士法の第二条には、技術士とは「 登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。」と書かれています。

 技術士の業務を補助する者として「技術士補」というものがあります。技術士補は、技術士になるために技術士第一次試験に合格し、登録をして、技術士の業務をサポートする人のことです。

 技術士補は、登録してもしなくても、所定の実務年数があれば、技術士になるための試験(第二次試験)を受験することができます。しかし、第二次試験を受けるためには、第一次試験を必ず合格(もしくは大学で所定の課程を卒業)しなければなりません。

 詳しくは、日本技術士会のWebページをご覧ください。

技術士に求めらる資質能力(コンピテンシー)

 技術士資格が国際的に通用するために、国際エンジニアリング連合(IEA)の「専門職として身につけるべき知識・能力」(PC)を参考に、技術士に求めらる資質能力(コンピテンシー) が策定されました。

 コンピテンシーには、「専門的学識」「問題解決」「マネジメント」「評価」「コミュニケーション」「リーダーシップ」「技術者倫理」の7つの項目があります。2019年度の技術士第二次試験から、コンピテンシーの各項目について、その能力を有しているかどうかの評価がなされることになりました。

技術士のメリット・デメリット

技術士のメリット

技術士のメリットとしては、以下のものがあります。

  1. 建設業などの入札で、条件として「技術士」が必須である場合がある。
  2. 他の試験で、科目免除になる場合がある。
  3. 顧客や会社・同僚からの評価が高まる。
  4. 昇進や収入増が期待できる。(企業によっては、管理職になるには技術士が必須の場合があります。)
  5. 自信になる。
  6. 試験勉強が、技術者として自分を大きく成長させた。

 私が持っている部門(科目)は入札などにあまり関係がないので、1つ目のメリットはあまり実感したことがありません。2つ目もまだ恩恵を受けたことがありません。しかし、3つ目以降は、大手コンサル企業との打ち合わせの時に、先方も技術士だったので、年下の私の話を真剣に聞いていただけました。技術士でなかったら、ここまで真剣には聞いていただけなかったと思っています。4つ目のメリットは、私自身はなんとなくですが、通常よりも昇進が早まったように感じました。

 私にとっての一番のメリットは、5つ目と6つ目でした。私は子供のころから自分に自信が持てず、一人で悩んでいました。社会人になっても、なかなか自信が持てませんでした。そこで、「国家資格の技術士になれたら、技術者としての自信が持てるかも?」と思って受験しました。

 試験勉強はとても大変で、なかなか合格できずに途中であきらめたくなったりもしました。しかし、自分に自信を持てるようになりたいという気持ちでがんばりました。実際に合格してみると、安堵感と難しい試験をパスしたという達成感が沸いてきて、以前よりも技術者としての自信が持てるようになりました。振り返ってみると、合格するための試験勉強によって、私は技術者として大きく成長することができたのだと思います。

技術士のデメリット

 技術士としてのデメリットというより、試験勉強のためにプライベートの時間が減ってしまうことがあります。 ですので、なるべく効率よく勉強して、1回もしくは2~3回の受験で合格することが理想です。

 しかし、受験回数が少ないことが優秀な技術士というわけではありません。受験1回目で合格しても、10回目で合格しても、同じ「技術士」です。