私が技術士を目指したきっかけ(1)の続きです。
無職から高校の講師へ
私が大学院を修了しようとしていた時期、世の中は就職氷河期の真っ只中でした。私は就職活動の開始が人より遅かったようで、だいぶ出遅れていました。
出遅れつつも、応募できる会社に書類を送っていたのですが、書類選考で落とされる日々が続きました。書類選考が通っても、一次選考の会場で多くの就活生に圧倒され、なかなか内定までたどり着けませんでした。
内定が取れないまま、大学院の修了式を迎えました。仕方ないので、ひとまず九州の実家に帰ってプータローになりました。もちろん就職活動もしていましたが、なかなかうまくいきません。
夏頃、県の教育委員会から突然電話がかかってきて、産休に入られる先生の代わりに、常勤講師として県立高校で理科を教えることになりました。無職の人間が、学期の途中から学校の先生になるのですから、生活リズムががらりと変わりました。授業の準備や生徒や先生方との関係、部活動の指導と、とても忙しく目が回りそうでした。大変なことも多かったですが、生徒が学びの中で成長していく姿を間近で見られたことはとても良い経験でした。
やっぱり専門知識を活かしたい!転職へ
高校の講師は、産休の先生が復職されるまでの契約でした。契約後も地元で高校の講師を続ける道もあったのですが、「大学の修士を修了しているのだから、専門知識を活かした仕事をしたいな」と考えるようになりました。
そこで、転職活動をして、関東の環境分析の会社に転職をしました。
入社初日に部長から社命を受ける!?
転職先の会社に入社したその日の夜に、歓迎会を開いてもらいました。
歓迎会が終盤に差し掛かったころ、部長が私のところにやってきて、「来年に技術士の一次試験を受けてください。まだ大学を出てから2年くらいしか経ってないし、試験慣れしているでしょうからすぐに合格できますよ。」と言われました。
部長はあまり深く考えていなかったのかもしれませんが、私にとっては「大学時代に勉強しないで受験して不合格」になった試験です。今回は部長から直々に受験指示が出たので、今度こそ合格しなければ!と思った夜でした。
技術士を目指そう!
技術系の会社に転職したし、一次試験を受けるからには、技術士を目指そう!と自分の中で高い目標が定まりました。何年かかるか分からないけど、なるべく早くに試験に合格して、技術士になろう!と心に誓いました。
結局、応用理学部門の技術士に合格したのは、7回目の受験のときでした。一般的には、3~5の受験で合格できるとよく言われているので、私は少し時間がかかったほうです。
それでも、技術士に合格してしまえば、受験回数が1回でも10回でも関係ありません。同じ「技術士」です。そんな気持ちを抱きながら、技術士としての責任と誇りをもって、日々の業務に取り組んでいます。