総監の視点で「孫子の兵法」を読んでみました

最近、本屋さんに行くとなんとなく気になっていた「孫子の兵法」。いきなり活字ばかりの本を読むのはちょっとハードルが高いと思って、「マンガ齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方」をkindle版で購入して読んでみました。総監部門の技術士の視点で、簡単に内容を紹介します。

孫子の兵法とは

孫子の兵法とは?孫武とは?

孫子の兵法とは、中国の春秋時代に兵法家の孫武が書いた兵法書「孫子」のことです。孫武は優れた兵法家だったようで、様々な書物に名前や文章が引用されたりしているそうです。

孫子は全部で13篇で構成されています。戦いの理想ではなく、実践に即した現実的な考え方を説明しているので、兵法書として価値があるのだそうです。

「孫子」はビジネス書

「孫子」は、将軍向けの兵法書という位置づけでした。そのため、これまで「孫子」は、経営者やリーダーが必ず読むべきビジネス書として認知されていました。

この本を監修された齋藤孝さんは、「孫子」はリーダーだけでなく、誰もが読むべき本だと言われています。孫子の兵法から、社会人に必要な上手な交渉のやり方や物事をうまく収めていく考え方を学び、仕事をより良くしてほしいと考えていらっしゃるようです。

孫子の兵法に学んだ成功者として、武田信玄、ナポレオン、ビル・ゲイツ、孫正義、野村克也らを紹介されていました。野村克也さんはプロ野球の監督時代に、「ID野球」としてチーム強化を行われて優勝したりされていましたが、孫子の兵法から学ばれていたとは驚きです!

齋藤さんの本は、孫子の兵法の紹介から始まり、環境編、個人編、指導者編などの章で構成されています。孫子の兵法のエッセンスをまとめた本とのことで、簡潔ですが読みやすくまとめられていました。

総監の「5つの管理の視点」で読んでみました

総監部門の技術士は、5つの管理(経済性・人的資源・情報・安全・社会環境)の視点をもって業務を俯瞰的に見て円滑に進めることが求められています。この「5つの管理の視点」で本を読んでみました。

経済性管理

経済性管理は、主に品質・コスト・納期の管理です。

この本では、社会人やリーダーとしての品質を上げることを述べていました。社員やリーダーの品質が上がれば、それだけ仕事の品質が上がります。そして、業務の円滑に進むようになりますし、顧客満足にもつながりますね。

人的資源管理

本では「部下を育てるため」「職場環境を良くしてどんな小さなことや悪いことでもすぐに報告してもらうため」に、積極的にコミュニケーションをはかることを勧めています。また、チームをより強くするために、メンバーのモチベーションを上げることを述べています。

さらに、経済性管理の品質を上げるためには、リーダーからの指導や教育、本人の自己研鑽が必要になります。部下のモチベーションアップには、リーダーからの認められた!という動機付けも大事になります。

これらは、人的資源管理になります。

情報管理

集めた情報を意思決定に使うこと、情報セキュリティや知的財産管理が、情報管理になります。

戦いに勝つには、「いかに有益な情報を素早く入手するか」がポイントになります。この本でも、会議は短く簡潔に!、どんな小さなことでも報告してもらうと紹介されています。これら情報収集にあたるので、情報管理にあたります。

安全管理と社会環境管理

本の中では、具体的な安全管理(労働災害の防止など)や社会環境管理(外部環境に負荷を与えない)に関することは記載されていませんでした。

実際に仕事で役立つの?

社会人の人は、自分のモチベーションや品質が上がり、さらに周囲の人とうまく協力しながら仕事を円滑に進められるようになるでしょう。

リーダーは、チームをまとめる力や利害関係者とのコミュニケーションがスムーズに図れるようになって、プロジェクトの成功や組織の発展に貢献できるようになるでしょう。

 

今回は、読みやすさを重視して、マンガで孫子の兵法を紹介している本を取り上げました。あっという間に読めましたし、仕事にもとても役立ちそうです。気になった方は、ぜひチェックしてみてください。