筆記試験は、すべて記述式問題に変わりました
技術士第二次試験の試験内容が、2019年度から新制度に変わりました。20の技術部門の筆記試験は、必須科目Ⅰ、選択科目Ⅱ、選択科目Ⅲのすべてが記述式になりました。科目によって、時間や解答用紙の枚数が異なりますが、筆記試験の内容の詳細は、別の機会に紹介します。
ここでは、記述式の試験に必要な勉強法のうち、キーワード学習を紹介します。
キーワード学習とは
キーワード学習とは、試験に出題されそうなキーワードを過去問題等から自分で抽出して、その内容を調べてまとめておく方法です。
試験では、出題された問題について、制限時間内に解答論文を記述しなければなりません。もちろん資料を見ることも、パソコンで作成することもできません。日頃の業務では、主にパソコンで資料や報告書を作成されている方が多いと思います。しかし、試験では600字詰め原稿用紙に1~3枚(問題ごとに指定されます)を、手書きで書きあげます。
手書きで文章を書く練習も必要ですが、その前に「何を書けばいいのか?」が分からないと、何も書けません。日頃の業務を問題なく遂行されている方なら、誰でも頭の中に解答のネタが眠っています。しかし、眠っているネタを頭の中で整理して文章としてアウトプットできなければ、合格は厳しくなるでしょう。そのためにも、キーワード学習で頭の中の知識を整理する必要があります。
キーワードは何個ぐらい必要?
キーワード学習をやろうと決めたときに、気になることは「何個ぐらいのキーワードをまとめたら、合格できるのか?」ではないでしょうか?
合格に必要なキーワードの数は、受験生によって千差万別です。なぜなら、受験生の経験と知識は、人によって異なるからです。例えば、勤続年数が20年以上のベテラン技術者と社会人4年目の技術者では、経験年数が大きく違いますし、知識量も異なると思います。
私の場合は、180個程度で筆記試験に合格できました。 当時の私は、勤続年数が約10年の中堅技術者でした。そのころの私は大手の試験対策講座を受講していて、「キーワード学習は300個を目標に」と指導を受けていました。そこで、私は必死にキーワード学習をやりましたが、 試験の約1か月前の180個ぐらいになった時点でキーワード学習を終えました。
試験の約1か月前からは、解答論文の書き方の練習に力を入れました。なぜなら、試験の直前までキーワード学習をやっていても、整理したキーワード学習を解答論文にアウトプットできなければ、試験に合格できないからです。
そう考えますと、キーワード学習は150~200個ぐらいが現実的な数字なのではないかと思います。
キーワード学習の取組み方
キーワード学習は、他の試験対策講座でも取り組むように指導されています。その内容は、講座や指導される先生によって若干異なりますが、基本的には同じです。
- 過去問題や受験する部門に関連する白書(国土交通白書・科学技術白書・情報通信白書・環境白書など)から、自分が説明できないキーワードを抽出する。抽出するキーワードは、200個以上でもよい。
- 抽出したキーワードを分野毎に分ける。分けるときは、エクセルなどで表にしてもよいし、マインドマップを使って視覚的にまとめてもよい。
- 絶対に抑えておきたい分野のキーワードから順に、キーワード学習を進める。目標は、試験本番の約1か月前までに「200個以上」とする。
- キーワードは、1つのキーワードにつき、概要・原理・原則、課題、問題点、問題点の解決方法、留意点、解決方法を行なったときに発生する新たなリスク、利害関係者との調整事項、などの項目について、300~600字程度でまとめる。
- 各項目は、キーワードに応じて減らしたり、増やしたり、変更してもよい。
- まとめ方は、文章でまとめてもよいし、表にしてもよい。
- まとめた後は、隙間時間に繰り返し見直したり、録音して耳で覚えるようにする。
1日2~3個のペースでキーワード学習を進めると、約3カ月で200個達成できます。さらに、キーワード学習を進めていけば、頭の中の知識も整理されて、自然と文章を書く力も養われます。もし、 200個に達しなかったとしても、キーワード学習の成果が解答論文にあらわれると思いますよ。
新試験制度に合ったキーワード学習の方法を知りたい方は、
をご覧ください。
キーワード学習の方法を読んだ後は、論文の書き方をご覧ください。
令和2年度の試験対策講座はこちらです。