令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-6」の解説

令和3年度技術士第一次試験 適性科目Ⅱ-6は『AIの利活用』

このブログでは、令和3年度技術士第一次試験の適性科目の問題や選択肢を少し深堀りして、第一次試験の試験対策だけでなく、第二次試験の筆記試験や口頭試験の対策にもなるような解説を目指してみたいと思います!

今日は令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-6」を解説します。適性科目「Ⅱ-6」は、AIの利活用に関する問題でした。

令和3年度技術士第一次試験 適性科目「Ⅱ-6

これからの社会には、より深くAIを利用した技術が活用されていくと予想されます。20185月から、政府はAI社会原則に関する検討を始めました。そして、20193月に「人間中心のAI社会原則」が策定され、公開されました。また、AI の開発者や事業者が基本理念やAI社会原則を踏まえて留意すべきものとして、「AI 開発利用原則」が作成され、公開されました。

AI 社会原則

特に、国などの立法・行政機関といった社会が留意すべきものとして「AI 社会原則」があります。これは、「AI-Readyな社会」において、日本だけではなく、多国間の枠組みで実現されるべき社会的枠組みに関する原則です。

AI社会原則には、7つの原則があります。

  • 人間中心の原則
  • 教育・リテラシーの原則
  • プライバシー確保の原則
  • セキュリティ確保の原則
  • 公正競争確保の原則
  • 公平性・説明責任及び透明性の原則
  • イノベーションの原則

 この原則の内容を知りたい方は、「人間中心のAI社会原則(統合イノベーション戦略推進会議決定 平成31329日)」を検索してご確認ください。

AI 開発利用原則

AI の研究開発と社会実装に従事する開発・事業者側が留意すべきことを掲げた「AI 開発利用原則」というものがあります。「AI開発利用原則」には、10個の原則があります。

  • 適正利用の原則・・・利用者は適正な範囲と方法でAIを利用する
  • 適正学習の原則・・・AIシステムの学習等に用いるデータの質に留意する
  • 連携の原則・・・AIシステムなどの相互間の連携やネットワーク化によるリスクに留意する
  • 安全の原則・・・利用者や第三者の生命・身体・財産に危害を及ぼさないように配慮する
  • セキュリティの原則・・・AIシステムなどのセキュリティに留意する
  • プライバシーの原則・・・AIシステムなどの利用によって、他者や自身のプライバシーが侵害されないように配慮する
  • 尊厳・自律の原則・・・AIシステムなどの利用では、人間の尊厳や自律を尊重する
  • 公平性の原則・・・AIシステムなどの判断によって個人や集団が不当に差別されないように配慮する
  • 透明性の原則・・・AIシステムなどの入出力等の検証可能性や判断結果の説明可能性に留意する
  • アカウンタビリティの原則・・・ステークホルダーに対して、アカウンタビリティを果たすように努める

もっと詳しく知りたい方は、「別紙 AI利活用ガイドライン~AI利活用のためのプラクティカルリファレンス~(AIネットワーク社会推進会議 令和元年89日)」を検索してご確認ください。

 これからAIはますます仕事や生活の中に活用されていき、身近なものになっていきます。AIに関する倫理について、技術者だけでなく、利用する一般市民も勉強していくことで、安心安全な社会を構築していきたいですね。

 

令和3年度技術士第一次試験 適性科目の問題と正答、及び、技術士倫理綱領は、日本技術士会のホームページに掲載されています。


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