技術士第二次試験の受験申込書・業務経歴書は、口頭試験のときに『資料』として使われます。そのため、特に業務経歴書は口頭試験が少しでも楽になるように具体的に分かりやすく記述して、面接官への印象が良くなるようにするための工夫が大切です。
第二次試験を受験する方の中には、この受験申込書・業務経歴書を単なる「受験のための書類」と捉えている方がいて、期限ぎりぎりにバタバタと作成して提出されてしまいます。もし筆記試験に合格した際には、そのバタバタと作成された受験申込書・業務経歴書が口頭試験で面接官にじっくりと読み込まれ、そこからさまざまな質問を投げかけられてしまいます。
バタバタと作成した受験申込書・業務経歴書では、面接官にこれまで築き上げてきた経験や業歴がうまく通じないかもしれません。せっかく口頭試験まで進んだのに、これはとてももったいないことです。
そこで本日は、受験申込書・業務経歴書を口頭試験時の『貴重な資料』にするためのポイントをご説明します。
業務経歴では、これまでご経験された業務の中で代表的なものを5つ取り上げて書きます。(5つの業務と呼ばれているものです。)
このとき、業務の1つを例えば「○○地域の環境分析に関する調査」と書いたとします。
調査された地域名が書かれているので、具体的で良いと思います。もし守秘義務の関係で具体的な地域名が書けない場合は、山間地域・工業地帯・河川部周辺などといった感じで、地域の様子が想像できるような言葉で記載すると良いでしょう。
しかし、「環境分析に関する調査」と書かれていると、内容がやや漠然としていてその調査の中でご自身が何を担当されたのかがよく分かりません。その調査の中でご自身が担当されたことを具体的に記載しましょう。具体的に記述することで、面接官に伝わりやすくなります。
そして技術士とは「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画・研究・設計・分析・試験・評価」の業務ができる人です。
そのため、業務内容は例えば「○○地域の環境分析調査における湖沼及び河川水の水質分析および評価」というふうに、最後に「計画・研究・設計・分析・試験・評価」の言葉を入れるようにしましょう。
つい、「業務は規模が大きい・受注金額が大きい方が技術士にふさわしい」と考えてしまいがちですが、そんなことはありません。技術士の資格は個人に与えられる資格です。そして、業務の中の課題(クリアすべきこと)に対して創意工夫をもって解決策を考えて実行できる人が技術士です。業務の規模や受注金額は関係しません。
逆に言えば、業務の規模や受注金額が小さくても、その業務の中で創意工夫をもって課題に取り組んで解決したのでしたら、それは立派な技術士としての業務になります。
これまでにご自身が経験されてきた業務内容に自信を持って、受験申込書・業務経歴書を作成しましょう。そして、最近技術士試験に合格した人や上司に必ず添削してもらいましょう。自分自身は分かりやすいと思っていても、第三者から見たら何が書いてあるのか分かりにくいときもあります。分かりにくい受験申込書・業務経歴書が口頭試験の『資料』になってしまうと、口頭試験で苦労してしまう場合があるかもしれません。受験申込書・業務経歴書でも、技術士コンピテンシーの「コミュニケーション」が評価されると思ってください。
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