技術士第二次試験の口頭試験までに準備しておきたいこと5つ(その2)

前回は、口頭試験までに準備しておきたいこと5つのうち、2つを紹介しました。今日は残りの3つを紹介します。

前回の「口頭試験までに準備しておきたいこと5つ」はこちら

口頭試験までに準備しておきたいこと5(その2)

前回紹介した「口頭試験までに準備しておきたいこと5つ」の続きです。

  1. 筆記試験の答案の再現論文を作って、ブラッシュアップする(前回)
  2. これまで経験した業務を振り返る(前回)
  3. 技術者倫理や技術士法を復習する(今日はここから)
  4. 技術士を目指したきっかけや今後貢献したいことを整理する
  5. 自己研鑽や業務以外での社会貢献、特許などを整理する

それでは、3番目から説明します。

技術者倫理や技術士法を復習する

口頭試験(総監を除く技術部門)では

Ⅰ技術士としての実務能力

1.コミュニケーション、リーダーシップ 30点満点

2.評価、マネジメント 30点満点

Ⅱ技術士としての適格性

3.技術者倫理 20点満点

4.継続研さん 20点満点

が諮問事項・配点となっています。そのため、技術者倫理は必ず質問されます。

まずは、技術士法で第一条の目的、第二条の定義、第四十四条から第四十七条までの技術士の三義務二責務を確認して、暗唱できるようにしましょう。技術士の三義務に違反した場合は、どのような罰則があるのかも確認しておきましょう。

技術者倫理は、市販の技術者倫理の書籍や技術士会が発行しているケーススタディ集を読んで事例を学び、「自分が関係者だったらどうするか?」「自分が所属する企業等で、同様の事例が起きたらどう対処するか?」を考えてみましょう。そして「技術士らしい対応とはどのようなものか?」を常に考えるようにするといいです。

おそらく、口頭試験では「〇〇のような場合、あなたはどう対処しますか?行動しますか?」と問われると思います。日頃から、場面を想定して考えておかないと、試験の時に突然聞かれても咄嗟に答えられません。

どのような場合でも、技術士ならば、まずは「公益の確保」を考えて行動します。自社や関係企業の利益を優先するのではなく、公共の利益が最重要です。

技術者倫理は諮問の解答準備がしやすいので、しっかりと準備しておきましょう。

技術士を目指したきっかけや今後貢献したいことを整理する

技術士を目指したきっかけや今後貢献したいことは、「継続研さん」につながります。

技術士を目指したきっかけは、皆さんそれぞれにあると思います。しかし、「会社に資格を取ってと言われた」「給与アップのため」では、ダメです。

試験官に「この人は技術士になって、高い能力を使って日本のために活躍してくれる人だ。」と思ってもらえるような回答を考えましょう。

今後貢献したいことも、「技術士として日本(や世界)のために貢献したいこと」を考えて、回答できるようにしましょう。これは未来の話になりますので、すこし大きな夢や希望でもいいと思います。

そして「今後貢献したいことに向けて、自己研鑽として〇〇や△△を行なっています」と回答できると、とても印象が良くなりますよ。

自己研鑽や業務以外での社会貢献、特許などを整理する

先ほども書きましたが、自己研鑽は、今後技術士として貢献したいことと絡めて整理するといいです。

技術士の試験勉強で忙しく、自己研鑽はほとんどしていないという方は、今すぐ始めましょう。

例えば、学会誌を読んだり、論文を投稿したり、学会で発表することも自己研鑽です。講習会やセミナーの聴講も自己研鑽になります。何かの委員会の委員になることもいいでしょう。海外で仕事をしたいと考えている人は語学の勉強、もっと高い専門性を持ちたいと考えている人は博士を取得するための準備を進めている、でもいいと思います。

業務以外での社会貢献や、これまで取得した特許なども整理しておきましょう。

口頭試験は加点法です。20分間という限られた時間内で、いかに加点してもらえるか?がポイントになります。筆記試験の合否発表までの間に、ご自身の業務やなぜ技術士になりたいのか、技術士としてどんなことに貢献したいのか、どんな自己研鑽に励んでいるのかをまとめておきましょう。